2020年のロビンエンジン ~零戦からスクーター、富士重工、スバルから現在~
ランマー、プレート、建設機械のエンジン、ランマーやプレートコンパクターなど、小型建機には汎用エンジンが多く使われています。
建設機械ではSUBARUのロビンエンジン、HONDAのGXエンジン、農機では三菱重工のメイキエンジンが有名で、川崎重工業、クボタやヤンマーも生産しています。
ロビンエンジン
ランマーやプレートコンパクターではロビンエンジンが有名です。
2017年頃まで、標準的に広く使われていたロビンエンジンでしたが、最近はホンダのエンジンが増えてきて、また最近はCCロビンという名前も見かけるようになっています。
その経緯をまとめてみました。
※諸説あります
ロビンエンジンのルーツ
SUBARU、元の富士重工業、更にさかのぼると大正時代の飛行機メーカーです。
中島飛行機
航空機を受注した日本初の民間メーカーで、日本だけでなく東洋でも最大、世界でも有数の航空機とエンジンのメーカーでした。
大戦中は隼や零戦に搭載した栄エンジン、紫電改に搭載した誉エンジンを開発生産しました。
大戦中は隼や零戦に搭載した栄エンジン、紫電改に搭載した誉エンジンを開発生産しました。
ロビンエンジンの元祖はスクーター
太平洋戦争敗戦後は航空機の業務が一切できなくなり、社名は富士産業になり、軍用機の車輪を利用して作ったラビットスクーターが大ヒットし、そのエンジンを汎用にしたのがロビンエンジンです。
ロビンエンジンの中国生産化
1999年、富士重工業と中国の現地企業との合弁会社、富士チャンチャイRobin(FCR)が設立。当初はシンプルなSV(サイドバルブ)エンジンの生産を行っていました。
2016年にチャンチャイの完全子会社になり、現在はSOHCエンジンやOHVエンジンも生産しています。
※ちなみにホンダの汎用エンジンは、中国、アメリカ、インド、タイなどで生産されています
富士ロビンのロビンエンジン
ロビンエンジンは富士重工業から独立した子会社の富士ロビンで生産されていましたが、2013年に電動工具メーカーのマキタに吸収合併になりました。
ロビンエンジンからSUBARUへ
2013年にロビンエンジンを生産する富士ロビンがマキタと合併したため、スバルの汎用エンジンのブランドはロビンではなくスバルに変わりました。
SUBARU汎用エンジンの終了
2017年4月、富士重工業は社名をブランド名だったSUBARUに変更。
その年の9月、主力産業に集中するため、汎用エンジンの製造販売が終了となってしまいました。
2020年、現在のロビンエンジン
2017年にスバルの汎用エンジンは終了しましたが、もともと中国でロビンエンジンを生産していた工場のチャンチャイでロビンエンジンの生産は続けられ、汎用エンジンとして日本も含め世界各国で広く使われています。
スバルのロビンエンジンと呼ばれていたエンジンが、現在はCCロビン(チャンチャイロビン)として続いている、という事です。
同じロビンエンジンでも、スバルのロビンエンジン、スバルEXエンジンなどは2017年以前に作られた製品。CCロビンと書かれていれば、2016年以降に生産された新しいエンジンだと言えます。
零戦のエンジンメーカーにルーツがあるなんて、プレートやランマーを見る目が変わる気がします。